癌の治療を受けていると、実に色々な症状が出てくるようになります。例えば腹水という症状が出た時には、医師も患者さんも患者さんのご家族も、とても不安になってしまうと思います。それは腹水がそれほど簡単な症状ではないというのが事実だからです。

ところで腹水と癌の関係より先に、腹水というのがどういうものなのか説明すると、人間の体内には臓器というものがたくさん存在しています。臓器と臓器の間には潤滑油の役割を果たすための水が入っています。この少量の水があるから臓器どうしが摩擦をしないでいるわけです。

でも本当に少しの水しか入っていないものなのです。ところが癌が原因でお腹の空間に大量に水が溜まる事があります。これを腹水と言って臓器を圧迫してしまう事になるのです。本来は腹水が何らかの原因で溜まったとしても、原因となっている病気を治療すれば問題は無いそうです。

つまり癌そのものを治療する以外に腹水の治療法が無いという事になるわけです。でも癌で腹水が溜まるようになるという事は、癌が相当進行しているという事をあらわしている事が多いのです。すると癌を完治しない限り腹水がなくなる事はないという事になってしまうのです。

いったん腹水が溜まってくると、臓器を圧迫されてしまうので食欲がなくなってしまったりします。お腹もパンパンに膨れてしまうので、食べ物を受け付けなくなってしまい、体力を奪う結果になってしまうわけです。すると癌と闘う力が奪われてしまいます。

だったら腹水を抜いてしまえばいいではないかと思うかもしれませんが、腹水を抜けるか抜けないかを調べなくてはなりません。この事から癌で腹水が溜まっているというと、危険な状態なのかもしれないと思ってしまうわけです。

癌で腹水が溜まったら危険なのか?

癌の進行は人によって違ってきます。初期の段階で発見する事ができれば癌を克服する事も可能ですし、進行している癌であっても治療が完全にできないというわけではありません。では腹水が溜まっていると言われた癌患者は、癌そのものの治療に期待を持つ事ができるのでしょうか?

身内の例をあげてみると、腹水が溜まった状態から癌そのものを完治する事は大変難しいと言われました。まだまだ現代の医学をもってしても、腹水が溜まった状態の癌患者の治療をするのは簡単な事ではないようでした。結果的に身内はそれから数ヶ月で息を引き取った事からもわかります。

腹水を抜く事ができればある程度体力を回復して、癌の治療を開始する事も可能かもしれません。ですが腹水の成分によっては水を抜く事で命を縮めてしまう可能性がある場合があるので、これも運を天に任せるくらいの気持ちで検査を受ける事になると思います。

大変残念ですが、今の段階で腹水の成分によっては抜く事ができずにそのままの状態を維持するしかない場合もあるのです。ただし全ての癌が腹水が溜まったら危険だというわけではないと思います。危険かなと言えるのは大腸がんや肝臓がんの場合(身内がそうだったので)や転移性の癌の場合かもしれません。

もちろん腹水が溜まっていても、癌を減らす事ができれば腹水も減らせる事になるので希望を捨てずに治療を続ける事もいいでしょう。ただ腹水が溜まった事によって、癌の状態が少なくてもこれまでよりは進行していると考えられるので、ある程度家族と過ごせる時間を大切にする事も考えた方がいいかもしれません。